12インチMacBook 2017 レビュー!ノマドワーカー最強PC!
MacBookといえばノート型Macの代名詞とも言えるモデルだが、MacBook Airが登場してから一時的にラインナップから外れていたが2015年に新しいデザインをまとってMacBook 12インチモデルがリリースされた。
12インチMacBook 2017は不要なものはすべて省くことでiPadに迫るモバイル性能を手にしたMacとなっている。
何を隠そう、僕は2015年にリリースされた12インチMacBookを手にして毎年モデルチェンジをするたびに乗り換えをしている。キチガイなのではないかと思われるかもしれないが、サイズ的制限がある12インチMacBookはたった1年でも性能が大きく進化しており、性能は作業性に大きく直結する部分なので毎年新型モデルが出るたびに乗り換えをしていたのだ。
Contents
12インチMacBook 2017 レビュー
ここでは、12インチMacBook 2017を徹底レビューしていき魅力を存分にお伝えしたいと思う。
本体デザイン
MacBookはiBookの後継機として2006年にホワイトのポリカーボネート筐体で登場。2008年にMacBook Proと同じアルミユニボディ筐体となったが、MacBook Airの躍進により2011年にその役目を終えることになった。
そして、4年の時が流れ再びMacBookがリリースされることになり、現在のMacBook Proのデザインの原型となったのが12インチMacBookで2015年にMacBook Proに先駆けて新デザインでリリースされた。
12インチMacBookは本当にデザインが素晴らしくカッコイイ。発売から3年経った現在でもこのデザインを上回るデザインはないのではないかと思うくらい洗練されている。
先が尖っているくさび形デザインはMacBook Airでも採用されているスタイルだが、12インチMacBookではさらに洗練された。ああ…。たまらなく美しい…。トラックパッド側が細くなっているおかげで自然なスタイルでキーボード入力をすることができるのだ。
外部ポートはUSB-C 一つのみ
洗練されたデザインを実現した理由のひとつにポートを極限まで少なくしたことがあげられるだろう。
12インチMacBookの外部ポートは左サイドにUSB-Cポートが搭載されている。
右サイドには3.5mmヘッドフォンジャックが搭載されている。手前に小さい穴が見えるがこれはマイクロフォンで音声入力やSiriで音声コントロールをするときに使用される。
12インチMacBookの外部ポートはなんとたったこれだけ。ポート数だけでみればiPadと同じということになる驚きの仕様となっている。
11インチMacBook Airと12インチMacBookのポートの違いを比較してみた。
11インチMacBook Air | 12インチMacBook | |
外部ポート | USB 2.0(A)× 2 Thunderbolt × 1 MagSafe 2(電源) ヘッドフォンジャック |
USB 3.1(Gen1) ヘッドフォンジャック |
12インチMacBookの電源はUSB-Cポートから供給されるためMagSafeポートは必要なくなった。
外部モニターへの出力もUSB-Cポートを使って可能なので、外部モニターがUSB-Cに対応したモデルであればモニター側から電源の供給を受けながらデュアルディスプレイモードで作業をすることが可能となるのだ。
USB-Cに対応した機器を揃えられるのなら特に問題はないのだが外部モニターがUSB-Cに対応していない場合は画面出力はできるけど電源の供給は受けることができない。
なので使い方はかなり制限されることになるのなが、モバイル性をとことん追求した結果、このようなデザインになったということでもある。個人的には12インチMacBookはこのスタイルで良かったと思っている。ここまで割り切ることができたからこそ、iPadに迫るモバイル性能を手に入れることができたのだ。
実は12インチMacBookはスマートキーボードを装着した12.9インチiPad Proよりもコンパクトだ。
画面サイズからしてすでにiPad Pro 12.9の方が大きいというのもあるが、まさかiPad ProよりもMacBookの方がコンパクトでスタイリッシュという衝撃の事実があるのだ。
第2世代バタフライ構造のキーボード
MacBook Proの2017年モデルは第2世代バタフライ構造のキーボードが採用されている。
バタフライ構造のキーボードは従来のシザー構造とは異なる構造となっており、極限まで薄く設計されたものとなっている。キーの四隅でタイプしてもぐらつきを最小限に抑えることができるので正確にタイピングできるようになっている。
バタフライ構造のキーボードはMacBook 2015で初採用されたものとなっており、第1世代はタイピングの跳ね返りが弱くタイプしているクリック感がかなり少ない。しかし、第2世代ではクリック感をしっかり得ることができるように改良されており一度使うと第1世代に戻ることはできないだろう。
MacBookのバタフライ構造のキーボードは賛否あり違和感を覚えるユーザーも多いが、超薄型のキーボードの特性に慣れることができれば従来のシザー構造のキーボードよりもタイピングはしやすいと個人的には思っている。
コツはキーを叩くのではなく撫でるようにタイプすると余計な力がかからないので手に負担がかかることなく素早くタイピングすることができる。
トラックパッドも大きくて使いやすい
トラックパッドはMacBookのサイズに合わせたものとなっているが、それでも十分に大きいサイズのトラックパッドが搭載されていることがわかる。
感圧式トラックパッドなので四隅をクリックしてもしっかり反応してくれるし、手が触れてしまうことの誤動作もほぼないので非常に快適な操作を実現してくれる。
12インチというサイズ感
MacBookは12インチのRetinaディスプレイを搭載している。解像度は2,304 x 1,440ピクセルとなっており、スケーリング解像度により視認性の高い画面表示を実現している。なお、12インチMacBookは以下のスケーリング解像度に対応している。
- 1,440 x 900ピクセル
- 1,280 x 800ピクセル
- 1,152 x 720ピクセル
- 1,024 x 640ピクセル
1,440 x 900ピクセルに設定することでこれだけの作業エリアを確保することができる。12インチサイズのディスプレイでこれだけの作業領域になるのでとても重宝している。
ただし、性能が低い2015年モデルの場合は動作が鈍くなるデメリットもあるので動作が遅いと感じたら標準解像度の1,280 x 800ピクセルを使用するようにしよう。
Retinaディスプレイの品質
MacBookは12インチサイズのRetinaディスプレイを搭載している。MacBook Proのカラー色域はP3(高色域)対応のRetinaだがMacBookはフルRGBのRetinaとなっている。
無印とProのディスプレイに差を付けられている状況だが、実際に見比べないと判別できないくらいの差なのであまり気にする必要はないだろう。
並べて写真を撮影してみたがほとんど差はない。ただし、肉眼で見るとたしかにP3に対応している13インチMacBook Proの方が色合いがより深く表現力が高くなっているのは確認できる。写真編集作業をバリバリこなしたい方は13インチMacBook Proの方がいいのかもしれない。
CPU・GPU・RAM・SSDのスペックと性能
12インチMacBookはファンレス構造なので省電力なIntelのYシリーズのCPUプロセッサが採用されている。
なので、どうしてもMacBook Proと比較すると性能が劣ってしまう。とはいえ、2015年モデルは明らかに性能不足から動作が遅いと感じたが2017年モデルは動作が遅いと思う場面は確実に減ったと断言できる。
歴代12インチMacBook(標準モデル)のGeekbenchによるCPUスコアはこのようになっている。
12インチMacBook | |||
モデル | 2017 | 2016 | 2015 |
CPU | Intel Core m3-7Y32 @ 1.2 GHz | Intel Core m3-6Y30 @ 1.1 GHz | Intel Core M-5Y31 @ 1.1 GHz |
シングルコアスコア | 3522 | 2694 | 2479 |
マルチコアスコア | 6656 | 5165 | 4416 |
12インチMacBook 2017は2015から50%ほどCPUの性能が向上したことになる。この差はかなり大きく体感速度からして速くなっていることがわかるくらいだ。
GPUの性能
12インチMacBookはGPUはCPUに内蔵されているIntel HD Graphics 615だ。Geekbench 4でGPUの性能を計測してみたらこんな感じだった。
- Intel HD Graphics 615
- OpenCL:17035
- Metal:17861
実はこのスコアは13インチMacBook Pro 2017(タッチバーなし)モデルに搭載しているCore i5とほぼ同じスコアとなっている。つまり、12インチMacBookの性能は省電力CPUなのに性能はそこそこ高く快適に作業をすることができるということなのだ。
RAMは16GBに増設可能に
MacBookは2016年モデルまではメモリの容量は8GBのみで増設することはできなかった。しかし、2017年モデルから16GBにカスタマイズすることができるようになったのだ。
どのような作業をするかでメモリの容量を決めればいいのかなと思うが、予算に余裕があるのなら16GBに増設しておくことでより長くMacBookを使うことができるようになるだろう。
ちなみに、僕は文章作成がメインなので標準モデルの8GB RAMを選択したが、動作が遅いと感じたことはほとんどない。つまり、通常の作業においては8GBは必要十分な容量ということなのだ。
SSDの性能
MacBook 2017のSSDの転送速度はMacBook Proほど速くはない。書き込み速度で861.6MB/s、読み込み速度で536.8MB/sとなっている。
MacBook Pro 2017や2018なら2000MB/sほどの転送速度が出るのでMacBookはそれの半分以下の転送速度しか出ないということになる。とはいえ、2015年モデルなどから比べると高速化されているし、動作が遅いと感じることはほぼないので安心してほしい。
12インチMacBook 2017の魅力・メリット
軽くてコンパクト!
12インチMacBookの最大の魅力はモバイル性能の高さだろう。本体重量は920gと1kgを切っているので本当に軽く片手で軽々と持ち運ぶことができる。
このサイズ感はスマートキーボードを装着している12.9インチiPad Proよりもコンパクトで軽い。これでmacOSをフル機能で使うことができるのだから本当にすごい。
12インチMacBookはノマドワーカー最強PC!
12インチMacBookを使って何をするか。これが重要。もし、デザイン作業や動画編集といった負荷の高い作業をしたいのならやめておいた方がいいだろう。少なくとも13インチMacBook Proを選ぶべきだ。
文章作成やブログ更新といった作業であれば12インチMacBookがあれば十分快適に作業をすることができるし、自宅だけではなく喫茶店などでノマドしたいのであれば12インチMacBookは最高のパートナーになることは間違いなしだ。
このサイズならリュックやカバンの中に放り込んでおいても邪魔にならないし重くない。iPadと同じようにどこにでも気軽に持ち運ぶことができるのでノマドワーカーにとっては最高のデバイスとなるだろう。
ちなみに、4Kモニターに接続をしてデュアルディスプレイ環境を作ることも可能。
CPUの性能が向上した2017年モデルなら動作が遅いと感じることもほぼない。ただし、もし自宅では外部モニターを接続して快適に作業をしたいのであれば、メモリは16GB RAMに増設した方がいいだろう。